岸田首相「コロナ第7波対策」スカスカ後手の極み 会見は“やってる感”のアリバイづくり

「この人はコロナを理解しているのだろうか」──。思わず首をかしげた国民も多いのではないか。国内の新型コロナウイルスの1日の新規感染者数が10万人に迫る中、岸田首相が14日、コロナ対応を主テーマに会見を開いた。ところが、中身はスカスカ。ほとんど、やってる感をみせるためのアリバイづくりの会見だった。

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■第7波「これまでにない感染爆発」

岸田首相は「強化してきた医療体制を維持しています」と訴え、「わが国全体として対応力が強化されている」と胸を張った。しかし、都の専門家は「これまでにない感染爆発になる」との見方を示している。これまでの対応力で通用するのかが問題なのだ。なお、岸田政権下の第6波では過去最多となる1万人超の死者を出している。

感染状況については「感染者数は増えているが、今のところ、重症者数や死亡者数は低い水準です」と分析してみせた。しかし、過去6度の経験から見ても、感染者数に遅れて、重症者と死者数が増えていく。第7波はまだ始まったばかりだ。

60歳以上などに限定しているワクチンの4回目接種については、全ての医療従事者と高齢者施設の従事者約800万人を対象にする方針が示された。来週以降、接種を始めるというが、バタバタ感は否めない。
「無料検査は感染拡大前に実施すべき」と専門家

さらに、人の移動が増える夏休みに合わせ、主要駅や空港で100カ所以上の臨時の無料検査拠点を整備すると表明。お盆期間を含む8月5~18日に実施する方向だというが、その頃に検査を拡大してもあまり意味がない可能性がある。

「夏の流行は7月から感染者数が増え始め、8月にピークアウトします。駅や空港での無料検査は、陽性者を発見し、行動を抑えることで、各地にウイルスが広がらないための対策です。感染拡大前に実施すべきでした。もし、7月から実施していれば、足元の感染拡大をある程度抑えられた可能性があります」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)

無料検査を感染拡大のピークに始めても全国に感染が拡大してしまっている恐れがある。

「すべてが後手後手です。第7波の感染が急拡大し、やっと腰を上げた印象です。医療従事者の4回目接種は、もっと早く決定し、3回目から5カ月経過した対象者にどんどん打てばよかった。参院選に気を取られ、コロナ対応を怠っていたといわれても仕方ありません」(中原英臣氏)

14日、コロナ感染者の累計は1000万人を超えたが、その8割以上が今年に入ってからだ。無能な首相の下、過去最大スケールの第7波が列島を直撃する。

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